◆ ミラグレーンとは？
ミラグレーン錠は、二日酔いや肝機能障害による諸症状の改善を目的とした医薬品で、日本では「第3類医薬品」に分類されています。肝臓をケアするための生薬成分と、西洋薬的な補助成分が組み合わされた「和漢洋折衷型」の肝臓薬です。
◆ 成分とその作用（主成分は生薬＋補助成分）
ミラグレーンのユニークな点は、生薬成分の比重が高いことです。以下に主成分を詳しく説明します。
【1】植物性生薬
- ウコン（秋ウコン）
主成分：クルクミン
→ 肝臓の解毒作用を助け、胆汁分泌を促進。胆のうの働きも改善します。 - ケイヒ（桂皮）
→ 血行を促進し、胃腸の調子を整える作用。全身の巡りを改善することで肝の代謝も高めます。 - サンショウ（山椒）
→ 胃腸を温め、消化吸収を促す。薬効の吸収効率を上げる助けにもなります。
【2】動物性生薬
- ゴオウ（牛黄）
→ 解熱、鎮静、解毒作用が強く、肝臓の過労を抑える。高級漢方にも使われる生薬で、ミラグレーンの中でも特に高価な成分。 - ユウタン（熊胆）
→ 胆汁分泌促進作用。肝機能の代謝をサポートし、脂肪肝の予防にも寄与。
【3】ミネラル・ビタミンなどの補助成分
- ビタミンB2
→ 肝臓でのエネルギー代謝に必須。アルコール分解のサポート。 - グルコン酸カルシウム
→ 神経の鎮静、筋肉の収縮制御などに関与。
◆ 効果効能
以下のような肝臓疲労や二日酔いに対して効果が期待されます。
- 二日酔い（悪心・嘔吐・頭痛など）の緩和
- 飲酒後の倦怠感・吐き気
- 肝機能の補助（AST・ALTの数値が高い方に補助的に使われることも）
- 肝臓の慢性的な疲労感（食欲不振・だるさ）
◆ 漢方家の視点での評価
漢方理論では、**肝（かん）は「血を蔵し、気の流れを司る」**とされます。ミラグレーンの構成はこの「肝の疏泄（そせつ）機能」を改善する設計になっており、
- 「気の巡りを良くする（桂皮・山椒）」
- 「胆汁の流れを整える（ウコン・熊胆）」
- 「肝の熱を取る（牛黄）」
など、漢方的な肝のアンバランスを多角的に立て直す配合です。
◆ 注意点・禁忌
- 妊娠中や授乳中は医師の相談が必要（動物生薬含有のため）
- 慢性肝疾患で治療中の方は、併用薬に注意
- 連続服用よりも「必要なときに」使うのが基本（予防的というより応急的）
◆ まとめ
ミラグレーンは、単なる「二日酔い薬」ではなく、肝機能のトータルケアを目的とした生薬系医薬品です。
特に以下の方にはおすすめされます：
- お酒をよく飲むが、翌日に疲れが残る人
- 肝機能の数値（AST・ALT・γ-GTP）が気になる人
- 脂っこいものを食べると気持ち悪くなる人
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